送迎保育ステーションの導入 木村ようこ


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杉並区は、総力をあげて保育所の整備をすすめておりますが、用地取得等の問題から、認可保育所を十分に整備できていない地域もあります。

そこで、昨年の第4回定例会一般質問では、「送迎保育ステーションの導入」を取り上げました。

その全文を以下に掲載します。
よかったらご覧ください。

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平成29年第4回定例会(2017年11月20日)
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 保育所について、今年も、来年4月に向けた入所申込みの時期となっております。緊急対策の真っ只中だった昨年と比べれば少し落ち着いているかもしれませんが、保健福祉部では、子育て中の区民の皆様のサポートに、全力で取り組んでいただいているところかと思います。申込者数も増加が見込まれる中、30年4月も、少しでも多くのお父さん、お母さん、そして子どもたちの笑顔が見られるよう、ぜひとも、精力的な取り組みをお願いしたいと思います。

 さて、子育て中の方々へのサポートとして近年注目されているのがいわゆる「送迎保育」です。送迎保育については、佐々木浩議員が、保育所の地域偏在を緩和する一手になるであろうと、かねてより、ご提案されておりますが、先般、私も区民の方から「送迎保育ステーション」の導入についてご要望を頂きましたので、今回改めて取り上げさせていただきたいと思います。

 平成29年度第1回杉並区子ども・子育て会議では、「待機児童解消緊急対策の総括と今後の取組」について報告がありました。この中では、今後の保育施策の取組として、「車での送迎の検討」という項目がございます。「認可保育所整備を精力的に行ってきたが、地域によっては、十分に認可保育所が整備できていない地域がある。これらの地域から少し離れた保育施設への入所が容易になるよう、マイカーや当該園のバスの送迎、駅付近のキーステーションからの送迎などを視野に、車での送迎を検討していく」旨の記載がございます。

 また、過去のご答弁でも、「車での送迎」について区で調査研究を進めるとお答えがあったように記憶しております。

 車での送迎については、現在も、引き続きご検討中と考えてよろしいでしょうか。車での保育所への送迎全般について、区の基本的な姿勢を、あらためてお聞かせください。

 さて、一言で「車での送迎」と言っても、いろいろなやり方が考えられます。このうち、マイカーでの送迎というのは、確かにハードルが高いだろうと私も感じております。過去、議会でも答弁がございましたが、多くの保護者がマイカーで園に殺到すれば、交通安全上の問題や渋滞の発生が避けられません。近隣住民の方々からも、なかなかご理解が得られないでしょう。

 一方で、マイカーではなく、送迎保育ステーションについては、導入する自治体が増えているようです。もちろん、小さなお子さんをバスで送ることには健康面での不安も残りますから、他の自治体でも、送迎するのは3〜5歳児に限り、待機児童が集中する0〜2歳児は直接の対象にしないことが一般的です。しかし、こうした自治体では、3〜5歳児を郊外に分散させることにより、結果として、駅周辺の施設に0〜2歳児を引き受ける余裕が生まれ、地域偏在の緩和に繋がると考えているようです。

 杉並区でも、送迎保育ステーションは有効な打ち手になり得るのではないかと考えますが、いかがでしょうか。仮に送迎保育ステーションを導入した場合、保育所の地域偏在を緩和する効果があるか、区の見通しを伺います。

 また、送迎保育ステーションについては、メディアで取り上げられたこともあり、区民の注目も高まっているように感じております。

 ひとつの例ではありますが、来年の4月に、和田堀公園の中に、国家戦略特区を活用して設置される園がございます。この園について、「芝生や善福寺川に囲まれた自然あふれる環境は魅力的だけど、永福町からも方南町からも往復で30分はかかる。通勤中に立ち寄るには少し遠い。永福町駅からバスで送迎などしてもらえないだろうか。もしくは、同じ事業者が久我山の駅前に施設を持っているので、そちらに預けて子どもを送ってもらうなどできないだろうか。」先日も、区民からこんな声を伺ったところです。ステーションを導入済みの自治体、例えば町田市でも、事業開始のきっかけは、駅から遠い園に対する住民からの送迎要望の声だったそうです。

 そこで伺います。当区の子育て家庭の送迎保育ステーションに対する関心・ニーズについて把握されているか、区の調査・検討の現状をお聞かせください。

 さて、先ほど、送迎保育ステーションを導入する自治体が増えていると申し上げました。導入の事例は首都圏や関西など全国各地で見られるようですが、都内でよく名前が挙がるのは、江東区・世田谷区・町田市の3自治体です。なかでも私が注目しておりますのは、4月からスタートした世田谷区の例です。

 確かに、江東区や町田市は、マンションの建設で住民が急増し、駅から離れれば土地に余裕があるなど、杉並区とはやや異なる環境にあると言えます。ですが、お隣の世田谷でも、送迎保育は実現できているわけです。世田谷は、住民の暮らしや考え方、少し前までの待機児童数、住宅街の道の狭さ、地価の高さや物件の少なさなど、条件も非常に似ているはずです。なぜ、世田谷ではできて、杉並ではできないのでしょうか。送迎保育ステーションについて、実現の可能性と、導入に向けた課題を伺いたいと思います。

 また、他の自治体の例を見ますと、数だけでなく、サービスの提供方法も進化し、多様化しているようです。

 例えば、江東区では、豊洲駅前と国際展示場の保育所の間で送迎が行われていますが、事業者が、遠隔地の「本園」と、ステーションになる駅前の「分園」の両方を自分で構え、1対1で往復するという比較的シンプルな形が採られています。

 次に、世田谷区の方式。事業者が自分の系列施設同士を結んでいるのは同じですが、成城学園の駅前のステーションと複数の園が繋がり、バスが巡回しながら園児を送迎しています。

 さらに、町田市が10月から始めた方式もあります。町田駅のステーションから、10以上の園を巡回して送迎が行われていますが、事業者の系列に捉われず、横断的な送迎が行われているのが特徴です。

 このように、他の自治体でも様々なやり方が見られる中、区でも、柔軟に、杉並らしいやり方で送迎保育を導入するということは考えられないでしょうか。

 例えば、バス乗り場での送迎。朝も帰りも、お迎えの時間を決めてバスの乗り場で直接お子さんを預かり、お返しする。もし間に合わなければ、お手数ですが直接園まで来てください、とすれば、ステーションの整備はいらないかもしれません。それでも、「毎日遠くに通うより嬉しい」という方も多いでしょう。

 また、例えば事業者を跨いだ送迎。認可施設はなくても家庭福祉員やグループ保育室ならあるような地区で、朝夕のステーションになってもらい、離れた大きな園に送る、という可能性はないでしょうか。

 また、区民施設や学校など、本格的な保育所にはできないが、朝夕の送迎ステーションとしてであれば使える、というような施設がないでしょうか。ステーションが駅から多少離れるかもしれませんが、本当に園が足りない地域では、それでも助かる、というようなことがあるかもしれません。

導入の課題を踏まえた「杉並版の送迎保育ステーション」の可能性について、ご意見を伺いまして、私の質問を終わります。


【理事者答弁】子ども家庭担当部長

 現在、マイカーでの保育施設への送迎は禁止しておりますが、保護者用の駐車スペースを確保できれば、自宅から離れた地域の保育施設への入所が容易になると考えております。

 また、他自治体で実施している送迎ステーションから保育園の車による送迎の仕組みですが、導入に当たっては、保育環境の整った送迎ステーションの確保や、車内も含めて安全な保育のための人材確保に加え、保護者により異なる送迎時間への対応など、さまざまな課題がございます。議員に御提案いただきました複数の送迎の手法につきましても、同様の課題が生じると考えております。

 送迎ステーションへの関心やニーズの調査は実施しておりませんが、現在進めている保育施設の地域偏在解消までの間、入園を希望する保護者の皆様に御利用いただける仕組みであると考えております。

 いずれにいたしましても、待機児童解消緊急対策の総括と今後の取り組みでお示しさせていただきましたとおり、この間、車での送迎につきましては、立地条件や交通状況等を踏まえて検討しているところでございます。私からは以上でございます。


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【再質問】木村ようこ
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 送迎保育ステーションの導入について再質問させていただきます。
 杉並区の子育て家庭の送迎ステーションに対する関心、ニーズについて把握されているのかという質問に対して、調査はされていないということでございます。確かに既存の園について直ちに送迎を導入することは難しいと思うのですが、今後の施設整備では、こうした送迎保育を考慮して計画的に進めていくべきだと考えております。

 そこで、まずは、利用申し込み中または待機中の区民に対してアンケートなどを行い、送迎ステーションへの関心についてデータを集めるべきだと考えますが、区の見解をお示しください。

 また、ニーズ調査に合わせて、具体的な送迎サービスの提案などを利用者や事業者から募るとよいと思うのですが、区のお考えをお伺いいたしまして、私の再質問を終わります。


【理事者答弁】子ども家庭担当部長

 送迎についての調査についての再質問にお答えいたします。
 昨年、緊急対策の時期といいますか、そのあたりのときに、久我山・高井戸地域の保育園なんですけれども、そこで送迎ができそうな形もありましたので、その際にいろいろ調査というか、した経緯はございますが、結果として、まとまらなかったといったところがございます。

 まずは、こうした送迎という手段を使わないで済むならこしたことはないなと。施設の整備であるとか弾力化とか定期利用、あるいは近隣地域の保育施設への御案内とか、そういったことを実施していくことがまず大切かなというふうに考えておりまして、万が一、近くがなくて遠くならという方も中にはいらっしゃると思いますので、そういったときには、あわせて送迎についても検討してまいりたいというふうに思ってございます。

 事業者に対する具体的な働きかけということですが、今後の検討の中で、必要であれば働きかけ等も行ってまいりたいというふうに考えてございます。私からは以上でございます。

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